令和8年(2026年)3月18日、国土交通省より最新の「令和8年地価公示」が発表されました。公表されたデータに基づき、全国的な潮流から北陸・圏域の傾向、新潟県内全体の傾向、用途別(住宅地・商業地・工業地)の価格や変動率、市区町村別の動向、および今後の市場見通しについて、事実関係を整理・解説します。

価格判定の基準日は令和8年1月1日です。

1. 全国および圏域の概況

令和8年地価公示における全国の平均変動率は、住宅地が2.1%、商業地が4.3%、工業地が4.9%の上昇となりました。景気が緩やかに回復する中、三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇が継続するなど、全体として強い上昇基調が続いています。

これに対し、新潟県を含む甲信越や近隣北陸圏エリアでは、富山県(住宅地+0.2%、商業地+0.3%)や石川県(住宅地+0.9%、商業地+2.0%)のように上昇を維持する地域がある一方、新潟県(住宅地▲0.5%、商業地▲0.5%)のように下落傾向を脱し切れていない地域もあり、地域間での地価トレンドの格差が見られます。

2. 新潟県全体の動向

新潟県内における令和8年1月1日時点の地価公示(調査実施427地点)では、県全体の全用途平均変動率が▲0.4%となり、平成8年以降31年連続の下落を記録しました。しかし、下落率は前年(▲0.5%)より縮小しています。用途別の平均変動率および平均価格は以下の通りです。

調査結果の全体的な特徴として、「県都・新潟市中心部への一極集中」と「インバウンド需要・災害被害等による局所的な二極化」が鮮明に現れています。

県全体では下落基調が続くものの、価格が上昇した地点は126地点(前年118)、横ばい地点は48地点(前年40)へとそれぞれ増加しました。特に新潟市(全用途+0.8%)では中心部や利便性の高い郊外で実需が極めて旺盛であり、上昇率が拡大しています。また、インバウンドを含む観光客の増加に沸く湯沢町(商業地+1.6%)や妙高市の一部などで力強い上昇が見られたのが特徴です。

その一方で、能登半島地震の被害が大きかった地域では前年に続き地価の下落が見られるほか、インフラや都市機能の集積から遠い地方郊外(糸魚川市全用途▲2.7%、柏崎市全用途▲2.3%など)では厳しい下落トレンドが続いており、需要が集中する都市部・リゾート観光地と地方郊外との二極化・格差が明確に現れる結果となっています。

3. 用途別の詳細および上位市区町村・特定エリア動向

■ 住宅地

【動向解説・分析】

住宅地は、新潟市中心部のブランドエリアや駅周辺への実需の集中が顕著です。県内最高価格を維持する「新潟市中央区水道町」は172,000円/㎡(横ばい)と安定した価値を誇っています。上昇率トップとなった「新潟市中央区鐙1丁目(+5.6%)」や「堀之内南2丁目(+5.4%)」など、中央区内の利便性優良地が高い伸びを見せており、市区町村別平均で見ても新潟市中央区(+1.8%)、江南区(+1.5%)、北区(+1.3%)といった新潟都市圏の好調ぶりが際立っています。 その一方で、市街化の勢いが弱い地方郊外(糸魚川市平均▲2.8%、田上町平均▲2.3%)は依然として厳しい下落から脱却できていません。また個別地点では、能登半島地震等の被害が大きく影響した地域(新潟市西区寺尾朝日通▲4.1%など)において、需要減退に伴う大幅な下落が記録されており、地域的な明暗を色濃く反映しています。

■ 商業地

【動向解説・分析】 商業地においては、投資・ビジネス需要が集積する「新潟駅周辺」と、インバウンド効果が直撃する「スノーリゾート地」への旺盛な需要が市場を牽引しています。県内最高価格の「新潟中央5-2(新潟駅前)」は659,000円/㎡(+6.3%)に達し、昭和63年から39年連続のトップに君臨しています。 一方、上昇率で驚異的な伸びを見せ県内1位となったのが「妙高市大字赤倉(+7.1%)」です。インバウンドを含む観光客の大幅な回復を背景に、ホテルや店舗需要が地価を強烈に刺激しており、市町村別で見ても湯沢町(商業地平均+1.6%)や妙高市(下落から+0.2%へ転換)などのリゾートエリアの躍進が目立ちます。 反面、こうした恩恵から取り残された内陸部や地方商業地は依然として厳しく、小千谷市(平均▲3.0%)や三条市(平均▲3.0%)をはじめ、個別地点でも上越市稲田2丁目(▲3.9%)など商店街や旧来の商業エリアでは地価の下げ止まりが見えず、投資の偏在が明確に浮き彫りとなっています。

■ 工業地

【動向解説・分析】 新潟県内の工業地は、全三用途の中で唯一「+1.7%」という安定した上昇トレンドを持続しています。 インターネット通販の普及拡大に伴う広域配送センターや先進的物流拠点の設置需要、企業の製造拠点再編に伴う実需が幹線道路沿いやインターチェンジ周辺に集中しています。最高上昇率を記録した「上越市大字福橋(+3.9%)」や、堅調な需要を誇る「新潟市江南区曙町(+3.0%)」など、アクセス性に優れた拠点への引き合いが絶えません。長岡市や上越市、見附市などの調査エリアにおいても安定した推移を見せており、地方部の住宅・商業地に見られる大幅な衰退とは一線を画す、底堅い市場実態を形成しています。

4. 今後の市場見通し

新潟県の土地市場は、新潟駅周辺の大規模な都市整備や利便性の高い都市圏郊外、さらに世界的な評価を受けるスノーリゾートエリアにおいて、今後も強い実需と投資需要に支えられた地価上昇が継続すると予測されます。

しかしその一方で、能登半島地震の傷跡が残る地域への継続的な支援や産業基盤の再構築をはじめ、人口減少に歯止めがかからない地方郊外や旧来の商店街街区では、需要の減退に歯止めをかけることが容易ではなく、地域間での「一極集中」と「多極的二極化」は今後より固定化していく懸念を抱えています。

不動産市場の動向を正確に捉える際には、単に県平均のマイナス幅の縮小という表面的な数字だけを見るのではなく、インフラ投資やインバウンド、災害影響など、地域ごとのミクロな個別要因を多角的に見極めることが極めて重要です。

あおぎり不動産鑑定

令和8年(2026年)3月18日、国土交通省より最新の「令和8年地価公示」が発表されました。公表されたデータに基づき、全国的な潮流から北陸圏の傾向、富山県内全体の傾向、用途別(住宅地・商業地・工業地)の価格や変動率、市区町村別の動向、および今後の市場見通しについて、事実関係を整理・解説します。

価格判定の基準日は令和8年1月1日です。

1. 全国および北陸圏の概況

令和8年地価公示における全国の平均変動率は、住宅地が2.1%、商業地が4.3%、工業地が4.9%の上昇となりました。景気の緩やかな回復や都市部での活発な再開発投資を背景に、全国的に地価の上昇基調が定着しています

北陸圏(北陸3県)においては、石川県が住宅地0.9%・商業地2.0%の上昇、富山県が住宅地0.2%・商業地0.3%の上昇を示しました。福井県は住宅地が0.0%の横ばい、商業地が0.3%の上昇となっています。北陸圏全体としても、主要都市の駅周辺整備やインフラ集積エリアが全体を牽引し、底堅い地価トレンドを維持している状況です

2. 富山県全体の動向

富山県内における令和8年1月1日時点の地価公示(調査実施228地点)では、県全体の全用途平均変動率が0.3%となり、前年の0.1%から上昇幅を拡大して2年連続の上昇を記録しました。用途別の平均変動率および平均価格は以下の通りです

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調査結果の全体的な特徴として、県都である富山市への一極集中と、インフラ・実需の有無による地域間格差(二極化)が非常に鮮明に現れています

富山市では住宅地が1.3%上昇、商業地が1.4%上昇、全用途平均で1.4%上昇と、12年連続で地価上昇を維持し県全体を強力に牽引しています。また、富山市に隣接し高い利便性を誇る舟橋村(住宅地+1.0%)が5年連続で上昇したほか、射水市(住宅地+0.1%、全用途+0.2%)がマイナス圏を脱して上昇に転じるなど、富山都市圏の実需の広がりが住宅地33年ぶりの「プラス転化」という劇的な成果をもたらしました

その一方で、県内第2の都市である高岡市では、工業地が上昇(+1.0%)したものの、住宅地(▲1.1%)や商業地(▲0.5%)の低迷が響き、全用途平均で▲0.8%と33年連続の下落を記録しています。都市部・駅周辺の好調自治体と、需要減退が続く地方郊外や調整区域との間での格差が、福井県や石川県と同様に明確に映し出される結果となりました

3. 用途別の詳細および上位市区町村・特定エリア動向

■ 住宅地

【動向解説・分析】 住宅地は、富山市中心部のブランドエリアや交通利便性に優れた地域での実需が堅調です。県内最高価格地点の「富山市舟橋南町」は132,000円/㎡(+0.8%)を記録し、選定替の歴史を含めると実質45年連続のトップを守り抜いています。上昇率では、富山駅北側の整備効果が波及する「富山市奥田本町」が+4.5%と高い伸びを示したほか、郊外の生活利便地である「婦中町高日附」が+4.0%を記録するなど、富山市内の優良な住環境を持つエリアに需要が集中しています。 反面、下落率の大きかったエリアを見ると、高岡市の市街化調整区域(福田六家▲3.7%、佐野▲3.4%)が上位を占めています。農地が広がる地域や郊外の古い既成住宅地では、人口減少に伴う需要減退が顕著であり、下落傾向が拡大する厳しい地価トレンドとなっています

■ 商業地

【動向解説・分析】 商業地においては、富山駅周辺の整備・開発に伴う繁華性向上の恩恵を受けた「駅前周辺エリア」が圧倒的な強さを見せています。最高価格かつ最高上昇率を叩き出したのは、駅前の超一等地である「富山市桜町2丁目」で、654,000円/㎡(前年比+6.2%)に達しました。また、ビジネス拠点としての需要が堅調な「新桜町」も+6.1%と急伸しており、投資と実需が駅南口周辺に集中する「独走状態」が続いています。 しかし同じ富山市内でも、旧来の中心商業地である「総曲輪3丁目」は▲1.4%の下落となるなど、中心部内部での構造変化も見られます。さらに、新幹線インフラから離れた地方都市の商業地は依然として厳しく、南砺市是安(▲3.4%)や魚津市新宿(▲3.2%)など、商店街の衰退や人流減少に歯止めがかからないエリアとの明暗が、より先鋭化しています

■ 工業地

【動向解説・分析】 富山県内の工業地は平均変動率+2.2%を記録し、他の用途に比べて極めて安定した高い上昇トレンドを維持しています。 インターネット通販の普及拡大に伴う広域物流倉庫の用地需要や、企業の製造拠点としての引き合いが、主要バイパスや高速道路インターチェンジへのアクセスに優れた適地に集中しています。富山市(5地点すべて上昇、最高値は八日町+3.8%)や射水市(1地点・有磯+2.3%)は全地点が上昇し、地価下落が続く高岡市においても工業地(石丸+1.9%)が上昇を記録するなど、製造・物流の拠点性が高いエリアでの実需の力強さが県内工業地市場を支えています

4. 今後の市場見通し

富山県の地価は、富山駅周辺の再開発や交通インフラの恩恵を直接受ける富山都市圏の優良エリアを中心に、今後も安定した需要が継続するものと予測されます。特に住宅地における33年ぶりのプラス転化は、今後の市場心理にポジティブな影響を与える好材料と言えます

しかし、高岡市をはじめとする地方都市圏や、駅から離れた市街化調整区域などの地方部では依然として厳しい下落傾向から脱却できていません。産業集積の有無や人口動態の格差により、地域間での「二極化」は今後さらに拡大・固定化していく懸念があります

不動産市場の動向を正確に捉えるためには、県全体の平均値に惑わされることなく、エリアごとのミクロな特性や、実需・投資需要の局所的な集中度合いを冷静に見極めることが、これまで以上に重要です

被災された能登地方をはじめ、北陸地域の一日も早い震災復興を心よりお祈り申し上げます。 今後とも適正な不動産鑑定評価を通じて、地域の確かな復興と発展に貢献してまいります。

あおぎり不動産鑑定

令和和8年(2026年)3月18日、国土交通省より最新の「令和8年地価公示」が発表されました。公表されたデータに基づき、全国的な潮流から北陸圏の傾向、石川県内全体の傾向、用途別(住宅地・商業地・工業地)の価格や変動率、市区町村別の動向、および今後の市場見通しについて、事実関係を整理・解説します。

価格判定の基準日は令和8年1月1日です。

1. 全国および北陸圏の概況

令和8年地価公示における全国の平均変動率は、全用途で2.8%の上昇となり、5年連続の上昇を記録しました。住宅地が2.1%、商業地が3.9%、工業地が4.9%と、いずれも都市部を中心に力強い回復・上昇基調が続いています

北陸圏(北陸3県)においては、各県ともに主要都市やインフラ集積エリアが全体を牽引し、底堅い地価トレンドを維持しています。 3県の全用途および用途別の平均変動率は以下の通りです

北陸地方全体の平均(住宅地0.4%、商業地0.6%、工業地3.2%)と比較しても、石川県、特に金沢都市圏を中心とするエリアの地価の勢いが北陸圏内を大きくリードしている状況が浮き彫りとなっています

2. 石川県全体の動向

石川県内における令和8年1月1日時点の地価公示(調査実施223地点)では、県全体の全用途平均変動率が1.4%となり、5年連続の上昇を記録しました。平均価格は88,100円/㎡で、全国16位に位置しています

用途別の平均変動率および平均価格の推移は以下の通りです

調査結果の全体的な特徴として、「金沢都市圏への一極集中」と「地方部との深刻な二極化」がこれまで以上に鮮明に現れています。 県内の継続標準地217地点の騰落状況を見ると、上昇地点が145地点(前年153)に減少する一方、横ばい地点が19地点(前年16)、下落地点が53地点(前年47)へとそれぞれ増加しました。金沢市(全用途+2.9%)やその周辺のベッドタウン(野々市市+3.1%、かほく市+3.4%、白山市+2.6%)が驚異的な実需に支えられて地価を大きく押し上げる一方で、インフラの恩恵や人口動態の厳しい地方部、特に能登地方(珠洲市▲5.4%、輪島市▲5.5%など)との間で、明暗が残酷なまでに分かれる結果となっています

3. 用途別の詳細および上位市区町村・特定エリア動向

■ 住宅地

【動向解説・分析】 住宅地は、金沢中心部のブランドエリアにおける安定した富裕層・実需層の需要に加え、周辺のベッドタウンや新幹線駅周辺への「実需の波及」が顕著です。県内最高価格を維持する「金沢市彦三町1丁目」は194,000円/㎡(+2.6%)と堅調で、利便性の高い金沢駅周辺の優良宅地に対する強い引き合いを証明しています。 上昇率でトップとなった「野々市市新庄1丁目(+6.8%)」や「白山市相木町(+6.0%)」、さらに「かほく市遠塚(+5.0%)」などは、良好な住環境と金沢中心部へのアクセスの良さから、若いファミリー層の流入が続いており、旺盛な住宅建築需要が地価を押し上げています。また、小松市(日の出町:+6.1%など)でも駅周辺の整備に伴う利便性の再評価が地価を強く刺激しています。 一方で、地方郊外や能登地方の住宅地市場は極めて厳しい状況です。特に珠洲市や輪島市では、人口減少の加速に加えて生活インフラの再構築プロセスの途上にあることなどが需要を著しく減退させており、5%を超える大幅な下落を記録するなど、地域間格差の固定化が大きな課題となっています

■ 商業地

【動向解説・分析】 商業地においては、金沢駅周辺および中心繁華街への「投資・ビジネス需要の圧倒的な集中」が地価を強力に牽引しています。最高価格地点である「金沢市本町2丁目」は、オフィスやホテルの旺盛な需要を背景に1,230,000円/㎡(前年比+9.8%)まで上昇しました。 さらに特筆すべきは、中心繁華街である「金沢市片町2丁目(片町スクランブル交差点近く)」の+15.4%という驚異的な上昇率です。人流の完全な回復、インバウンドを含めた観光客の増加、それに伴う店舗需要や再開発への期待感が、特定の超一等地に莫大な実需とプレミアムを呼び込んでいます。金沢市(商業地平均+4.3%)を筆頭に、野々市市(+3.4%)、白山市(+3.0%)といった都市圏全体がこの恩恵を享受しています。 その反面、新幹線や都市機能の集積から遠い地方商業地、および能登地方の商業エリアでは厳しい下落に歯止めがかかっていません。輪島市河井町(▲6.3%)や珠洲市飯田町(▲5.9%)に加え、観光名所である七尾市和倉町(▲5.1%)でも、店舗や旅館の稼働停滞、それに伴う商業実需の減退が地価の足を大きく引っ張っており、インフラ投資や経済活動の有無による明暗が、最も残酷な形で数値に投影されています

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■ 工業地

【動向解説・分析】 石川県内の工業地は、全三用途の中で最も高い「+4.7%」という極めて強い上昇トレンドを前年から維持しています。 この背景にあるのは、インターネット通販の日常化に伴う「先進的物流拠点・配送センター」の設置需要、および企業の製造拠点・サプライチェーン再編に伴う工場用地の旺盛な実需です。特に北陸自動車道のインターチェンジへのアクセスが優れた白山市や小松市、そして金沢市周辺の工業団地や幹線道路沿いは、まとまった規模の土地に対する引き合いが絶えません。供給可能な適地が極めて限定的であることから、完全な「売り手市場」が形成されており、地方部を含む地価の二極化とは無縁の、県内全域にわたる力強い地価の底上げが続いています

4. 今後の市場見通し

石川県の土地市場は、金沢都市圏を中心とした利便性の高いエリアや主要インフラ沿線において、今後も旺盛な実需と投資需要に支えられた堅調な地価上昇が継続すると予測されます。特に、利便性の高い郊外のベッドタウンや、物流の要衝となる工業地については、依然として上値を追う展開が続くでしょう

しかしその一方で、能登地方をはじめとする地方部や、インフラ整備の恩恵が及びにくい地域では下落傾向が続いており、復興のスピードや人口動態、産業集積の格差によって、地域間での「二極化・多極化」は今後さらに拡大、あるいは固定化していく懸念を内包しています

これからの不動産市場を捉える際には、単に「県平均の上昇」という表面的な数字に惑わされることなく、エリアごとのミクロな特性、上昇を支える実需の背景、そして下落が続く地域の構造的要因を冷静に見極めることが、これまで以上に重要になってきます

被災された能登地方をはじめ、石川県内の一日も早い震災復興を心よりお祈り申し上げます。
今後とも適正な不動産鑑定評価を通じて、地域の確かな復興と発展に貢献してまいります。

あおぎり不動産鑑定

令和8年(2026年)3月18日、国土交通省より最新の「令和8年地価公示」が発表されました。公表されたデータに基づき、全国的な潮流から北陸圏の傾向、福井県内全体の傾向、用途別(住宅地・商業地・工業地)の価格や変動率、市区町村別の動向、および今後の市場見通しについて、事実関係を整理・解説します。

価格判定の基準日は令和8年1月1日です。

1. 全国および北陸圏の概況

令和8年地価公示における全国の平均変動率は、住宅地が2.1%、商業地が4.3%、工業地が4.9%の上昇となりました。また、北陸圏(北陸3県)においては、石川県が住宅地0.9%・商業地2.0%の上昇、富山県が住宅地0.2%・商業地0.3%の上昇を示しています。各県ともに主要都市やインフラ整備が進む中心エリアが牽引し、底堅い地価トレンドを維持している状況です

2. 福井県全体の動向

福井県内における令和8年1月1日時点の地価公示(調査実施133地点)では、県全体の全用途平均変動率が0.2%となり、前年(0.2%)に続き2年連続の上昇を記録しました。用途別の平均変動率および平均価格は以下の通りです

調査結果の全体的な特徴として、北陸新幹線の福井開業と、それに伴う主要駅周辺の大規模再開発事業の効果が非常に鮮明に現れています。福井駅周辺の商業地が県全体を強力に牽引しているほか、新幹線の新駅やルート沿いとなる敦賀市、あわら市、越前市の駅周辺でも地価上昇が継続しています。住宅地においても、福井市中心部から周辺や郊外への実需の広がり、さらに「新九頭竜橋」の開通効果に支えられた北東部の強い伸びが大きく貢献し、30年ぶりの「下落ストップ」という劇的な転換点をもたらしました。一方で、新幹線インフラの恩恵が及びにくい奥越エリア(大野市や勝山市)などの地方部では依然として下落傾向を脱し切れておらず、需要が集中する都市部・新幹線沿線と地方郊外との二極化・格差が明確に現れる結果となっています

3. 用途別の詳細および上位市区町村・特定エリア動向

■ 住宅地

■ 商業地

■ 工業地

あおぎり不動産鑑定

令和8年(2026年)3月18日、国土交通省より最新の「令和8年地価公示」が発表されました。公表されたデータに基づき、全国的な潮流から東京圏の傾向、栃木県内全体の傾向、用途別(住宅地・商業地・工業地)の価格や変動率、市区町村別の動向、および今後の市場見通しについて、事実関係を整理・解説します。

価格判定の基準日は令和8年1月1日です。

  1. 全国および東京圏の概況令和8年地価公示における全国の平均変動率は、住宅地が2.1%、商業地が4.3%、工業地が4.9%の上湯となりました。また、東京圏においては住宅地が4.5%、商業地が9.3%、工業地が6.8%の上昇を示しています。全国・東京圏ともにすべての用途において、前年に続き堅調な上昇基調が維持されている状況です。
  2. 栃木県全体の動向 栃木県内における令和8年1月1日時点の地価公示(調査実施466地点)では、県全体の全用途平均変動率が0.1%となり、前年の▲0.1%から上昇に転じ、平成4年以来34年ぶりにプラスを記録しました。用途別の平均変動率および平均価格は以下の通りです。

住宅地: ▲0.2% (前年▲0.3%から下落率が縮小・平成5年から34年連続下落)

商業地: 0.2% (前年の横ばい0.0%から上昇に転じ、平成4年以来34年ぶりに上昇)

工業地: 3.6% (前年3.3%から上昇率が拡大・5年連続上昇)

全用途: 0.1% (前年▲0.1%から上昇に転じ、平成4年以来34年ぶりに上昇) 調査結果の全体的な特徴として、宇都宮駅周辺の再開発やLRT(次世代型路面電車)沿線地域の大幅な地価上昇、インバウンドをはじめとする観光需要に沸く日光エリアの伸長が県全体を強力に牽引しています。また、工業地においては北関東自動車道や東北自動車道IC周辺地域での旺盛な物流・製造拠点需要から上昇率が一段と拡大しました。住宅地は依然として下落が続いているものの下落幅は縮小傾向にあり、県全体としては地価の回復・底上げの動きが一段と強まっています

  1. 用途別の詳細および上位市区町村・特定エリア動向■ 住宅地

平均価格上位地点(抜粋):

宇都宮市宿郷5丁目9番9 (151,000円/㎡)

宇都宮市中今泉2丁目11番5外 (145,000円/㎡)

宇都宮市元今泉2丁目32番6 (140,000円/㎡)

上昇率上位地点(抜粋):

宇都宮市ゆいの杜4丁目19番14 (7.4%)

宇都宮市陽東8丁目945番16 (4.2%)

宇都宮市陽東5丁目4201番24 (4.0%)

主な変化と特徴(人気エリア・高級住宅街の動向): 住宅地は宇都宮中心部およびLRT沿線エリアの堅調さが際立っています。県内最高価格地点となったのは、宇都宮駅東側の利便性に優れた高級住宅街・商業近接エリアである「宇都宮市宿郷5丁目9番9」で、151,000円/㎡(前年比+2.7%)を記録しました。また、上昇率ではLRTの開業効果が完全に定着した「宇都宮市ゆいの杜4丁目19番14」+7.4%という高い伸びを見せて県内1位となったほか、「宇都宮市陽東8丁目」や「宇都宮市陽東5丁目」といったLRT停留所至近のエリアでも4%台の極めて高い上昇率を記録する地点が目立っており、居住利便性の向上がそのまま地価に反映されています。市町別平均変動率で見ても、小山市(平均+1.3%)や宇都宮市(平均+1.2%)がプラスを維持しています。 その一方で、中心部から外れた地方・郊外エリアや利便性の劣る地域では依然として厳しい二極化も残っています。住宅地の下落率トップは観光地・温泉街の周辺に位置する「那須塩原市中塩原字時ヶ崎359番10」▲4.8%となっており、佐野市の郊外(鉢木町:▲4.4%、中町:▲4.0%など)でも厳しい下落トレンドを脱し切れていません。しかし、これら下落傾向の地域(那須烏山市:▲2.7%、茂木町:▲3.2%など)でも下落幅自体は前年より縮小傾向にあり、県全体としては好転の兆しを見せています

■ 商業地

平均価格上位地点(抜粋):

宇都宮市駅前通り3丁目17番 (530,000円/㎡)

宇都宮市東宿郷1丁目4番1 (433,000円/㎡)

宇都宮市池上町1番3 (327,000円/㎡)

上昇率上位地点(抜粋):

日光市松原町10番6 (6.9%)

日光市中鉢石町904番1外 (6.8%)

宇都宮市陽東4丁目4320番12 (4.4%)

主な変化と特徴(注目エリアごとの動向): 商業地においては、主要駅周辺の再開発・LRT効果に加え、観光需要の復活が反映されています。最高価格地点は、宇都宮駅西口正面の新規地点である「宇都宮市駅前通り3丁目17番」530,000円/㎡でトップとなりました。一方、上昇率の面で今回県内を驚かせたのがインバウンド需要に沸く日光駅周辺エリアです。東武日光駅近くの「日光市松原町10番6」+6.9%「日光市中鉢石町904番1外」+6.8%の上昇を記録して県内上昇率のトップ2を独占し、日光市全体の商業地平均は+2.6%と大きな伸びをみせています。 これに対して、主要都市部である宇都宮駅東口周辺の東宿郷エリア(東宿郷1丁目:+2.9%)や、LRT沿線の大型商業施設周辺である陽東エリア(陽東4丁目:+4.4%)も非常に旺盛な需要を維持しており、宇都宮市全体の商業地平均は+1.3%と堅調に推移しています。小山市(平均+2.0%)も駅周辺を中心に好調です。反面、需要のミスマッチが続く地方商業地では、那須烏山市中央1丁目や茂木町大字茂木がともに▲3.5%を記録するなど、利便性と観光・開発投資の有無による格差が鮮明になっています

■ 工業地

平均価格上位地点(抜粋):

宇都宮市川田町字草倉780番6 (45,000円/㎡)

小山市大字犬塚字大丸32番27外 (29,500円/㎡)

宇都宮市平出工業団地41番2 (27,300円/㎡)

上昇率上位地点(抜粋):

鹿沼市さつき町7番3 (6.1%)

小山市大字出井字磯宮浦1200番13外 (6.1%)

小山市大字横倉新田字街道北489番9外 (5.9%)

主な変化と特徴(エリアごとの上昇率の格差): 工業地は県平均で+3.6%と、三用途の中で最も高い上昇率を示し、前年(3.3%)からさらに上昇率が拡大しました。北関東自動車道や東北自動車道のインターチェンジへのアクセスに優れた主要工業団地への旺盛な実需が背景にあります。 特に顕著な伸びを見せたのが、インターチェンジ至近や主要道路沿いに位置する鹿沼市さつき町エリアおよび小山市出井エリアで、ともに+6.1%の急上昇を記録して県内上昇率トップに並びました。また、小山市横倉新田(+5.9%)や真岡市松山町(+5.8%)、芳賀町芳賀台(+5.5%)など、製造業・物流拠点が集積するエリアでも軒並み高い上昇トレンドとなっています。 これに対して、工業地としての最高価格を維持する「宇都宮市川田町(45,000円/㎡)」では、変動率が0.0%(横ばい)にとどまっています。新規の用地需要が、宇都宮中心部近郊の成熟した工業地から、より高速インターへのアクセスがダイレクトで地価が割安な周辺都市(小山・鹿沼・真岡など)の大規模工業・物流団地へと分散・シフトしている傾向が見られ、同じ県内の工業地であっても、立地条件と価格のバランスによる上昇率の格差・選別傾向が生じているのがリアルな実態です

あおぎり不動産鑑定

令和8年(2026年)3月18日、国土交通省より最新の「令和8年地価公示」が発表されました。公表されたデータに基づき、全国的な潮流から東京都内全体の傾向、用途別(住宅地・商業地・工業地)の価格や変動率、市区町村別の動向、および過去のバブル期との比較や今後の市場見通しについて、事実関係を整理・解説します。

価格判定の基準日は令和8年1月1日です。

1. 全国および東京圏の概況

令和8年地価公示における全国の平均変動率は、住宅地が2.1%、商業地が4.3%、工業地が4.9%の上昇となりました。また、東京圏においては住宅地が4.5%、商業地が9.3%、工業地が6.8%の上昇を示しています。全国・東京圏ともにすべての用途において、前年に続き堅調な上昇基調が維持されている状況です。

2. 茨城県全体の動向

茨城県内における令和8年1月1日時点の地価公示(調査実施676地点)では、県全体の平均変動率がすべての用途で前年を上回る上昇を記録し、上昇幅がさらに拡大しました。用途別の平均変動率および平均価格は以下の通りです。

調査結果の全体的な特徴として、つくばエクスプレス(TX)沿線地域の大幅な地価上昇が県全体を強力に牽引しています。これに加えて、JR常磐線沿線地域や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)IC周辺地域でも上昇幅が拡大するなど、県南地域を中心とした強い上昇傾向が継続しています。また、その他の地域でも変動率の好転や下落幅の縮小が見られ、県内全体で地価の回復・底上げが進んでいます。

3. 用途別の詳細および上位市区町村・特定エリア動向

■ 住宅地

その一方で、県央・県北エリアなどの利便性が劣る古い分譲地では依然として厳しい二極化も残っています。住宅地の下落率トップは「日立市諏訪町4丁目87番」△3.0%(3年連続1位)となっており、人口減少や高齢化に悩む地域では下落トレンドを脱し切れていません。しかし、これら下落傾向の地域でも下落幅自体は縮小傾向にあり、県全体としては好転の兆しを見せています。

■ 商業地

これに対して、県都の玄関口であるJR常磐線沿線の水戸駅前エリア(水戸市宮町1丁目250番)は、価格こそ265,000円/㎡と県内5位の位置につけているものの、上昇率は+1.5%と、県南エリアに比べると非常に穏やかな伸びにとどまっています。水戸市全体で見ると、赤塚駅周辺(赤塚1丁目:+0.4%)や千波町周辺などで上昇地点はあるものの、商業地平均としては+0.6%の緩やかな推移です。さらに、沿線から外れた「北相馬郡利根町大字布川(利根5-1)」が△2.6%となるなど、商業地でも利便性と需要のミスマッチによる格差が鮮明になっています。

■ 工業地

これに対して、同じ高速道路のアクセスを持ちながらも、都心からの距離がやや離れる五霞町エリア(猿島郡五霞町大字元栗橋)では、価格こそ39,400円/㎡と県内3位の安定した水準を維持しているものの、上昇率は+0.5%という極めて穏やかな上昇にとどまっています。消費地への距離(ラストワンマイルの優位性)や、千葉県境からの物理的な近さという条件の違いによって、同じ県南・高速沿線であっても上昇率に大きな格差と選別傾向が生じているのが、令和8年工業地公示のリアルな実態です。

あおぎり不動産鑑定

令和8年(2026年)3月18日、国土交通省より最新の「令和8年地価公示」が発表されました。公表されたデータに基づき、全国的な潮流から東京都内全体の傾向、用途別(住宅地・商業地・工業地)の価格や変動率、市区町村別の動向、および過去のバブル期との比較や今後の市場見通しについて、事実関係を整理・解説します。

価格判定の基準日は令和8年1月1日です。

1. 全国および東京圏の概況

令和8年地価公示における全国の平均変動率は、住宅地が2.1%、商業地が4.3%、工業地が4.9%の上昇となりました。また、東京圏においては住宅地が4.5%、商業地が9.3%、工業地が6.8%の上昇を示しています。全国・東京圏ともにすべての用途において、前年に続き堅調な上昇基調が維持されている状況です

2. 神奈川県全体の動向

神奈川県内における令和8年1月1日時点の調査では、標準地1,758地点を対象に公示価格が算定されました。県全体の用途別平均変動率は以下の通りです。

住宅地では継続地点の94.6%、商業地では98.1%が上昇地点となっており、工業地においては前年に続きすべての地点で上昇を記録しています

3. 用途別の詳細および上位市区町村・特定エリア動向

■ 住宅地

■ 商業地

■ 工業地(※データが公表されている市区・区の範囲内)

あおぎり不動産鑑定

令和8年(2026年)3月18日、国土交通省より最新の「令和8年地価公示」が発表されました。公表されたデータに基づき、全国的な潮流から東京都内全体の傾向、用途別(住宅地・商業地・工業地)の価格や変動率、市区町村別の動向、および過去のバブル期との比較や今後の市場見通しについて、事実関係を整理・解説します。

価格判定の基準日は令和8年1月1日です。


1. 全国の概況:上昇基調の継続

全国平均では、全用途平均・住宅地・商業地・工業地のいずれも5年連続(令和8年で6年連続の上昇基調)で上昇を記録しています。

東京・大阪・名古屋の三大都市圏をはじめ、地方都市においても上昇傾向が定着しています。訪日外国人観光客の回復による店舗・ホテル需要の増加、都市部でのマンション開発、および物流ネットワーク再編に伴う工業地への需要などが、全国的な地価を押し上げる要因となっています。


2. 東京都内の全体動向:全用途で上昇幅が拡大

東京都内においては、合計2,560地点(住宅地1,663地点、商業地849地点、工業地40地点、林地8地点 ※隔年調査による休止42地点を除く)で調査が実施されました。 東京都全域の対前年平均変動率は、住宅地、商業地、および全用途で5年連続のプラス、工業地は13年連続のプラスを記録しています。前年との比較が可能な継続地点2,503地点のうち、2,445地点で価格が上昇しました。


3. 住宅地および商業地の個別地点動向

【住宅地:上位地点データ】

【商業地:上位地点データ】


4. 都心・湾岸エリアにおける地価上昇トレンド

東京都区部、特に都心5区や湾岸エリアを中心とする主要区においては、極めて強い地価上昇トレンドが続いています。

個別地点のデータを見ると、住宅地の上昇率1位となった港区湾岸エリアの「港-19(港区港南3丁目)」が対前年変動率+22.2%を記録したほか、「文京-12(本郷1丁目)」が+20.8%、「港-4(赤坂1丁目)」が+20.5%となるなど、主要な需要集中エリアにおいては毎年20%前後のペースで地価が上昇し続けている地点が複数観測されています。商業地においても、再開発の進む「渋谷5-13(桜丘町)」が+29.0%となるなど、インフラ整備や拠点開発が活発なエリアへの資金流入が顕著です。


5. 平成初期バブル期との価格水準比較

近年の連続的な地価上昇により、東京都心の不動産市場は非常に活性化していますが、歴史的な長期推移の観点から見ると、価格水準はまだ「平成初期のバブル期」のピークには達していません。

公式資料に示された昭和58年を100とした平均価格推移(指数)のデータによると、令和8年現在の東京都区部における地価指数は、商業地で「268.4」、住宅地で「240.4」となっています。これに対し、平成2年前後に記録したバブル期のピーク時は、商業地で指数が500を大幅に超え、住宅地でも400を超える水準まで急騰していました。

現在の市場は実需やインバウンド、外資系投資資金に支えられた堅調な推移を見せているものの、当時の最高値と比較するとまだ価格の絶対的な水準(指数)としては足りていない(下回っている)状態にあります。



6. 建築費・物価高騰の影響と今後の投資見通し

今後の東京都内における不動産マーケットの方向性としては、マクロ経済的なマージンの変化に留意する必要があります。

現在、サプライチェーン全体の原材料価格の高騰や、深刻な人手不足を背景とした建築費の急上昇、さらには物価全般の上昇(インフレ)が継続しています。これらのコストプッシュ要因は、デベロッパーの新規開発案件における採算性を圧迫し、今後の土地仕入れ価格に対する下押し圧力となる可能性があります。多摩地区の工業地動向の解説等でも一部言及されているように、原材料高騰等の懸念から、今後は地価の上昇スピード(上昇幅)が緩やかに鈍化・減速する局面へと移行する可能性が示唆されています。

しかしながら、欧米主要都市と比較した際における日本の低金利環境の継続や、円安水準を背景とした割安感、さらにはリバウンドするインバウンド(訪日外国人客)需要や再開発による都市競争力の向上といったファンダメンタルズは依然として強固です。上昇スピードが落ち着いたとしても、安定的かつ高い流動性を誇る東京都心の不動産は、国内外の投資家にとって引き続き極めて「魅力的な投資対象」であるという市場の評価は維持されています。


まとめ

令和8年の東京都地価公示は、都心・湾岸エリアを中心に年間20%前後におよぶ強い上昇地点を内包しつつ、全体として拡大基調が継続していることを示しています。歴史的ピークであるバブル期の水準にはまだ達しておらず、今後は建築費高騰等により上昇のペースが調整される可能性はあるものの、底堅い実需と都市開発の進展を背景に、東京アセットの市場価値および投資対象としての優位性は客観的に高く評価されています。実際の取引や資産戦略の構築にあたっては、こうしたマクロなコスト要因と、各エリアの局地的な需要トレンドを正確に見極めることが重要となります。

あおぎり不動産鑑定

令和8年(2026年)3月18日、国土交通省より最新の「令和8年地価公示」が発表されました。公表されたデータに基づき、全国的な潮流から埼玉県内全体の傾向、用途別(住宅地・商業地・工業地)の価格や変動率、市区町村別の動向、およびインフラ設備が地価・不動産取引に与える影響について事実関係を解説します。

価格判定の基準日は令和8年1月1日です。


1. 全国の概況:上昇基調の継続

全国平均では、全用途平均・住宅地・商業地・工業地のいずれも6年連続の上昇を記録しています。

東京・大阪・名古屋の三大都市圏をはじめ、地方都市においても上昇傾向が定着しています。訪日外国人観光客の回復による店舗・ホテル需要の増加、都市部でのマンション開発、および物流ネットワーク再編に伴う工業地への需要などが、全国的な地価を押し上げる要因となっています。


2. 埼玉県内の全体動向:商業地・工業地で上昇幅が拡大

埼玉県内においては、合計1,280地点(住宅地1,010地点、宅地見込地1地点、商業地223地点、工業地44地点、林地2地点)で調査が実施されました。県南部およびJR高崎線沿線地域などで上昇が継続しており、商業地と工業地で上昇幅が拡大し、全体として上昇を維持しています。


3. 住宅地の動向

住宅地(1,010地点)では、県南部を中心に高い上昇率や価格水準を維持しています。

【住宅地:価格上位3地点】

  1. さいたま浦和-20(さいたま市浦和区高砂2丁目125番1):1,440,000円/㎡(対前年変動率:+11.6%)
  2. さいたま大宮-17(さいたま市大宮区下町1丁目62番1外):1,190,000円/㎡(対前年変動率:+10.2%)
  3. 川口-20(川口市幸町1丁目14番1):721,000円/㎡(対前年変動率:+5.7%)

【住宅地:対前年変動率(上昇率)上位3地点】

  1. さいたま浦和-20(さいたま市浦和区高砂2丁目125番1):+11.6%(価格:1,440,000円/㎡)
  2. さいたま大宮-17(さいたま市大宮区下町1丁目62番1外):+10.2%(価格:1,190,000円/㎡)
  3. 川口-61(川口市大字西立野字寺ヶ崎400番103):+7.9%(価格:219,000円/㎡)

【住宅地:市区町村別の分析】


4. 商業地の動向

商業地(223地点)では、主要駅周辺や再開発エリア、マンション需要との競合地域で大幅な価格上昇が見られます。

【商業地:価格上位3地点】

  1. さいたま大宮5-1(さいたま市大宮区桜木町1丁目8番1):5,200,000円/㎡(対前年変動率:+11.8%)
  2. さいたま大宮5-14(さいたま市大宮区仲町1丁目37番1外):3,000,000円/㎡(対前年変動率:+10.3%)
  3. 川口5-1(川口市栄町3丁目105番2):2,800,000円/㎡(対前年変動率:+12.0%)

【商業地:対前年変動率(上昇率)上位3地点】

  1. 川口5-1(川口市栄町3丁目105番2):+12.0%(価格:2,800,000円/㎡)
  2. さいたま浦和5-1(さいたま市浦和区高砂2丁目85番1外):+12.0%(価格:2,060,000円/㎡)
  3. さいたま大宮5-1(さいたま市大宮区桜木町1丁目8番1):+11.8%(価格:5,200,000円/㎡)

【商業地:市区町村別の分析】


5. 工業地の動向

工業地(44地点)では、高速道路(首都高速、外環道など)に近い交通利便性の高い地点を中心に、上昇傾向が継続しています。

【工業地:価格上位3地点】

  1. 川口9-4(川口市青木4丁目648番):264,000円/㎡(対前年変動率:+6.5%)
  2. 戸田9-2(戸田市美女木4丁目11番8外):235,000円/㎡(対前年変動率:+6.3%)
  3. 川口9-3(川口市領家5丁目3914番):229,000円/㎡(対前年変動率:+6.5%)

【工業地:対前年変動率(上昇率)上位3地点】

  1. 三郷9-3(三郷市インター南1丁目3番4):+8.1%(価格:186,000円/㎡)
  2. 川口9-2(川口市東本郷1丁目7番2外):+7.5%(価格:201,000円/㎡)
  3. 川口9-1(東領家4丁目)、三郷9-2(泉3丁目)、川口9-3、川口9-4、戸田9-1(笹目8丁目):各+6.5%

6. 地域的な二極化と生活インフラ設備による個別的影響

■ 過疎化地域との二極化の継続

埼玉県全体の平均変動率はプラスを維持しているものの、地域間における地価の二極化は継続しています。利便性の高い県南部や主要駅徒歩圏が堅調に推移する一方、過疎化や高齢化が進行する郊外・中山間地域(ときがわ町、川島町、小鹿野町の住宅地平均変動率が各▲1.2%、神川町が▲0.8%など)においては下落傾向から脱しておらず、格差が鮮明になっています。

■ 下水道管の破裂等によるインフラ起因の個別要因(八潮市等の事例)

不動産の個別的な価値形成において、接道や形状だけでなく「生活インフラの整備・老朽化状況」は重要な要素となります。

例えば、今回の公示地価で住宅地が+3.9%、工業地が+5.2%と高い平均上昇率を記録している八潮市などの平野部都市においては、一部の地点周辺で古い埋設下水道管の老朽化による損壊や破裂、それに伴う道路陥没、復旧のための長期的な通行規制などのインフラトラブルが発生した事例があります。

地価公示の鑑定評価や実際の不動産取引(実勢価格)の現場において、このようなインフラトラブルが発生した地点の周辺では、復旧費用の負担リスク、一時的な利用制限、あるいは心理的嫌悪感などが「個別的要因(環境条件・画地条件)」として減価要素になり得ます。マクロな地域平均変動率がプラスであっても、前面道路のインフラの健全性によって、個別地点の資産価値には異なる動きが生じる事実が確認されています。


まとめ:住宅購入時におけるインフラ設備確認の重要性

令和8年の埼玉県地価公示は、全体として底堅い上昇トレンドを示しているものの、過疎化地域との二極化、さらには同一地域内であっても個別地点が抱えるインフラの健全性によって価値が左右される局地的な二極化が進んでいます。

これから住宅(土地・一戸建て)のご購入を検討される際は、公的な地価指標や間取り、最寄り駅へのアクセスといった表面的な条件だけでなく、その土地に埋設されている生活インフラ、特に上下水道の状況を詳細に確認することが推奨されます。具体的には、以下の3点について自治体の担当課(水道局や都市計画課)で名寄帳や配管図面を照会し、事実関係を把握することが重要です。

  1. 管種: 衝撃や腐食に弱い古い土管や塩化ビニル管か、耐久性の高いポリエチレン管等に更新されているか。
  2. 口径: 将来の建て替えや二世帯住宅化、あるいは十分な水圧・排水能力を確保できる適切な太さ(一般住宅であれば給水管13mmから20mmへの更新状況など)があるか。
  3. 布設年度: 法定耐用年数(一般に40年程度)を超過し、破裂や詰まりのリスクを抱えた老朽管のまま放置されていないか。

インフラ設備の不具合は、購入後の突発的な修繕費用や資産価値の下落に直結する個別要因となるため、事前の客観的なデータ精査が確実な選択のための必須条件となります。

あおぎり不動産鑑定

令和8年(2026年)3月18日、国土交通省より最新の「令和8年地価公示」が発表されました。公表されたデータに基づき、全国的な潮流から群馬県内全体の傾向、用途別(住宅地・商業地・工業地)の価格や変動率、および市町村別の動向について、事実関係を整理・解説します。

価格判定の基準日は令和8年1月1日です。


1. 全国の概況:上昇基調の継続

全国平均では、全用途平均・住宅地・商業地・工業地のいずれも5年連続(令和8年で6年連続の上昇基調)で上昇を記録しています。

東京・大阪・名古屋の三大都市圏では上昇幅が拡大しており、地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)でも堅調な推移を維持しています。訪日外国人観光客の回復による店舗・ホテル需要の増加、都市部でのマンション開発、および物流ネットワーク再編に伴う工業地への需要などが、全国的な地価を押し上げる要因となっています。


2. 群馬県内の全体動向:34年ぶりの全用途プラス転換

群馬県内においては、合計374の継続調査地点(住宅地252地点、商業地111地点、工業地11地点)で調査が実施されました。


3. 住宅地の動向

群馬県内の住宅地における平均変動率は0.0%(前年は▲0.3%)となり、平成5年以来34年ぶりに「横ばい」となりました。平均価格は37,600円/㎡です。

【住宅地:対前年変動率(上昇率)上位地点】

  1. 高崎-1(高崎市竜見町3番2):+3.9%(本年価格:106,000円/㎡)
  2. 高崎-10(高崎市岩押町124番8「岩押町16-2」):+3.9%(本年価格:134,000円/㎡)
  3. 太田-35(太田市飯塚町232番3外):+3.6%(本年価格:52,100円/㎡)

【住宅地:価格上位3地点】

  1. 高崎-43(高崎市真町8番外):177,000円/㎡(対前年変動率:+3.5%)※県内最高価格地点
  2. 高崎-10(高崎市岩押町124番8):134,000円/㎡(対前年変動率:+3.9%)
  3. 高崎-2(高崎市柳川町146番4外):112,000円/㎡(対前年変動率:+0.9%)

【住宅地:市町村別の分析】

平均変動率を市町村別に見ると、太田市(+0.7%)が最も高く、次いで高崎市(+0.6%)吉岡町(+0.6%)、みどり市(+0.4%)、大泉町(+0.2%)、前橋市(+0.1%)、館林市(+0.1%)の計7市町がプラスとなりました。伊勢崎市、玉村町、明和町、嬬恋村の4市町村は0.0%の横ばい。残る17市町村はマイナス(下落)となっており、最も下落率が大きかったのは下仁田町(▲2.8%)です。 平均価格では高崎市の58,300円/㎡が最高で、前橋市の51,500円/㎡がこれに次いでいます。


4. 商業地の動向

群馬県内の商業地における平均変動率は+0.3%(前年は0.0%)となり、平成5年以来34年ぶりの「上昇(プラス転換)」を記録しました。平均価格は66,800円/㎡です。

【商業地:対前年変動率(上昇率)上位3地点】

  1. 群馬草津5-1(吾妻郡草津町大字草津字堂裏462番21):+5.9%(本年価格:57,800円/㎡)
  2. 太田5-1(太田市飯田町1386番):+4.2%(本年価格:172,000円/㎡)
  3. 前橋5-2(前橋市本町2丁目2番15外「本町2-2-12」):+4.1%(本年価格:179,000円/㎡)

【商業地:価格上位3地点】

  1. 高崎5-1(高崎市八島町63番1外):522,000円/㎡(対前年変動率:+1.0%)※県内最高価格地点
  2. 高崎5-23(高崎市栄町6番8「栄町3-11」):458,000円/㎡(対前年変動率:+2.2%)
  3. 高崎5-14(高崎市栄町11番10「栄町17-21」):410,000円/㎡(対前年変動率:+2.2%)

【商業地:市町村別の分析】

市町村別平均変動率では、観光客数の動向を背景とした草津町(+5.9%)が突出して高い上昇率を記録しました。次いで都市部や再開発への期待がある高崎市(+1.4%)太田市(+1.3%)、館林市(+0.6%)、前橋市(+0.4%)、大泉町(+0.3%)の計6市町がプラスとなっています。玉村町は0.0%の横ばい。 残る16市町はマイナスとなっており、下落率が最も大きかったのは下仁田町(▲2.6%)です。 市町村別の平均価格では、高崎市(137,200円/㎡)が最高となり、前橋市(70,100円/㎡)、太田市(64,300円/㎡)が続いています。


5. 工業地の動向

群馬県内の工業地における平均変動率は+2.9%(前年は+2.3%)となり、既存の上昇基調からさらに上昇幅が拡大しました。平均価格は23,800円/㎡です。

【工業地:対前年変動率(上昇率)上位地点】

  1. 太田9-1(太田市脇屋町997番4外):+3.4%(本年価格:21,400円/㎡)
  2. 伊勢崎9-1(伊勢崎市粕川町1800番1外):+3.2%(本年価格:22,500円/㎡)
  3. 伊勢崎9-2(伊勢崎市三室町6232番2):+3.2%(本年価格:22,900円/㎡)

【工業地:価格上位3地点】

  1. 高崎9-3(高崎市宮原町3番9):29,000円/㎡(対前年変動率:+2.8%)※県内最高価格地点
  2. 高崎9-1(高崎市上豊岡町571番7):25,900円/㎡(対前年変動率:+2.0%)
  3. 高崎9-2(高崎市小八木町字薬研寺307番2):25,500円/㎡(対前年変動率:+2.8%)

【工業地の地域傾向】

工業地は調査が実施された主要市(前橋市、高崎市、伊勢崎市、太田市)のすべてにおいて、前年を上回る平均変動率を記録しました。地理的特性(災害リスクの低さ)や高速道路網の利便性を反映し、企業の製造・物流拠点需要が地価を支えています。


6. 公示地価と実勢価格の乖離および地域的な差(二極化)について

地価公示において、県計で34年ぶりのプラス転換や横ばいへのシフトなど回復傾向が示される一方、実際の取引現場(実勢価格)においては、エリアごとの需要の偏りによる異なる動きが確認されます。

新幹線停車駅である高崎駅の徒歩圏や、開発期待の高い太田市・前橋市の中心商業地、草津町の観光中心地、および高速道路IC周辺の工業適地など、特定の需要が集中するスポットにおいては、実際の取引価格(実勢価格)が公示地価や路線価を上回る価格で推移するケースが見られます。公的指標の数値と実際の市場需要の間には、エリアによって一定の乖離が生じることがあります。

また、都市部や一部観光地が上昇する一方で、利根郡みなかみ町の一部住宅地(みなかみ-3、みなかみ-4が▲3.3%)や、藤岡市の一部商業地(藤岡5-2が▲3.1%)などのように下落率が依然として残る地点もあり、地域間での資産価値の差(二極化)が継続しています。


まとめ

令和8年の群馬県地価公示は、全用途平均が34年ぶりに上昇に転じるなど、長期の下落トレンドからの明確な転換期を迎えていることを示しています。ただし、需要が集中する中心部・工業地・観光地と、それ以外の郊外・中山間地域との二極化傾向は続いており、個別の不動産価値を正確に把握するにあたっては、接道条件、形状、周辺環境などの個別的要因や最新の周辺取引事例を客観的に精査することが重要となります。

あおぎり不動産鑑定